昔は『出資法』という法律自体制定されておらず、貸金の金利に対しては「上限金利を日歩50銭(年率換算で182・5%)とする」とした行政指導が唯一の基準だった。その後、朝鮮戦争の勃発や特需後による不況が重なり、闇金融や違法な利殖商法が社会問題化。それらに規制を設けるため、1954年『出資法』1元本10万円未満の場合は年20%2元本10万円以上100万円未満の場合は年18%3元本100万円以上の場合は年15%をそれぞれ制限利息として、これを超過する部分については利息契約を無効と定めているが(利息制限法一条一項)、債務者(利用者)がこの超過分を任意に支払ったときはその返還を請求できない(第一条第二項)となっている。出資法正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(年29.2%を超えて貸し付けた場合、“3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金またはこれらが併科される”という刑罰が科せられる)だ。
対策のひとつとして、ATMでの使用限度を下げたのだ。メガバンクでは、一日のATMでの現金引き出し限度額を50万以下(磁気カード)に制限。同時に、現金でのATMからの振り込みは、一回につき10万円を上限とした。それ以上の額を振り込む場合は、運転免許証など、本人確認の書類をもって窓口で振り込まなければならない。たしかに振り込め詐欺に遭ったとしても、お金を振り込もうとして窓口へ行けば、銀行員に気づいてもらえる可能性が高くなる。また、不正なお金を移動するときにも、これまでのように簡単にはいかない。こうした対策が功を奏したのかどうかは定かでないが、オレオレ詐欺(なりすまし詐欺)の認知件数は減少する傾向にある。07年は04年の半分以下になった。しかし、口座間移動なら制限がないというATM操作の盲点をついた還付金詐欺が激増している。したがって、依然として、振り込め詐欺自体の被害金額はほぼ横ばいである。一般の人々は、ATMで扱える金額が減少することに不便を感じるかもしれない。だが、こうした犯罪の実態を見れば、多少の不便はあったとしても、もっとセキュリティの向上に力を入れるべきだと思うにちがいない。
SWFは一国の政府が全額出資しているため、巨額の資本をもつ。アブダビ投資庁は約9000億ドル(約81兆円)、ノルウェーの政府年金基金は約3000億ドル(約27兆円)の運用額を有していると推定され、全世界のSWFの資産をトータルすると、約2兆〜3兆ドル(約180兆〜270兆円)にのぼるともいわれている。その規模は、今後ますます拡大し、2015年には10兆ドルに膨らむとの見方もあるほどだ。日本にはSWFが存在せず、100兆円もある外貨準備はすべてアメリカ国債や米ドル預金に充てられている。この100兆円をSWFで運用すれば換大な利益になるという意見があるが、日本でのSWF設立には反論も多い。そもそも国全体の富を投資にまわすという大胆な政策は、中東や中国、ロシアなど、国のリーダーが強力な権限をもっている国だからこそ実現可能なのであって、日本ではむずかしいというのである。万が一、資産が目減りした場合、国民からの追及をかわすことができないからだ。逆に考えると、SWFの強みは、損失を出したとしても、投資家から責任を問われたり、投資を引き揚げられたりする心配がないことだといえるだろう。くわえて、民間ファンドには投資家への情報開示が義務づけられるが、SWFにはそうした義務がない。したがって、民間ファンドのように一定期間内での利益を求められることもなく、長期を見据えた投資ができる。