第二次世界大戦後のアメリカの変遷を、政治・経済の側面から概観してみましょう。時代別にみていきますが、50年代から60年代の前半、文字通りの世界の超大国として国際社会をリードしてきたアメリカが、70年以降、凋落の道をトレントとして歩んでいます。実質国内総生産の伸びは、60年代の4.1%から70年代2.8%、80年代2.5%と低下しています。国際競争力の面で重要な生産性の伸びも、50年代の2.5%をピークに一貫して低下。同時に、60年代まで黒字であった貿易収支も、70年代104億ドル、80年代883億ドルと赤字基調が強まっています。その反面で雇用情勢は60年代まで、摩擦的失業を除くとほぼ完全雇用状態でした。ところが70年代6.2%、80年代7.3%とやはりトレントとして悪化しています。このように、第二次大戦後のアメリカは、世界の超大国となりましたが、60年代にそのピークを打ち、以降一貫して衰退しているのです。そうした超大国アメリカになぜ衰えが生じたのか、以下ポイントを絞ってみていきましょう。
行革の最大の障害は、官僚機構の抵抗です。答申案づくりの段階からあれこれ介入して権限の縮小に反対し、答申が出ても知らん顔をするのが、かれらのやり方です。「国民生活の重視」、「地方分権」を旗印にした第3次臨時行政改革推進審議会(第3次行革審)も関係省庁にさんざんもみくちゃにされ、何度も立ち往生しました。答申文は骨抜きにされ、運転免許の有効期限の延長や車検制度の簡素化という消費者にかかわりの深い分野の改善も、役所の抵抗で大幅に修正されました。これでは、「お役人は業界の味方か」といわれても、仕方がないかもしれません。政治家は官僚に強く、業界に弱い。官僚は政治家に弱く、業界に強い。業界は官僚に弱く、政治家に強いーこの力の三角形を崩さなければ、行政改革も政治改革も進まないと極論する人もいます。規制は市場原理をゆがめ、保護は消費者の利益を損ないます。21世紀を前に、中央集権型の行政機構は転換を迫られています。そこにメスを入れて、新しい時代にふさわしい政府に変えていかないと、市場経済も飛躍できません。
一度非正規社員として職に就くと、正規社員に登用される可能性はますます低くなっていき、いつまでたっても格差は縮まらない。この格差を是正するために重要なのは、教育への投資である。外国語や専門知識などの高度なスキルを習得するには、高度な教育を受ける必要がある。だが現状では、高度な教育を受けられるのは裕福な家庭の子どもにかぎられ、貧しい家庭の子どもには十分なチャンスが与えられない。そこで、貧しい家庭の子どもでも高度な教育を受けられるように、国が教育投資を拡大すべきであるという意見が識者から出されている。ヨーロッパやアメリカでは、すでに教育予算の大幅増が検討されている。また、失業手当や児童手当などの福祉政策によって弱者保護を強化するという方法もある。現にそうした政策が行き届いているドイツでは、比較的格差が小さい。能力のある者が富を得る―。たしかにこれが資本主義の基本ではあるが、あまりに行き過ぎた資本主義の徹底が、このような格差を生んだともいえるだろう。これ以上格差を拡大させないためにも、弱者に配慮した、何らかの是正処置が求められるところだ。